【番外編③】実際やってみてわかった話 〜スマホ開発のリアル〜
綺麗事じゃない部分も書きたい
本編は「スマホで開発できますよ」という話でしたが、**実際にやってみてどうなの?**という部分はあえて触れませんでした。ここでは長く使っている中で感じた、現実的な話を書きます。
バッテリーの話
結論から言うと、めちゃくちゃ減ります。
Node.jsでビルドが走ると、CPUがフル稼働する瞬間が何度もある。体感ですが、普通にスマホを使う倍以上のペースで減る印象。
対策
- 充電しながら作業が基本。ケーブル挿しっぱなし前提で考える
- モバイルバッテリーは1個用意しておくと安心
- バッテリー残量が20%を切ったら
npm run buildは控える(途中で切れると悲しい)
発熱の話
ビルド中、スマホははっきり熱くなります。
軽く暖かいレベルから、夏場だと「ちょっと持ってられないな」レベルまで。長時間のビルドはスマホに優しくないのは事実です。
対策
- スマホケースは外す(放熱の妨げになる)
- 冷感ジェルシートや冷却ファン付きグリップを使う人もいる
- 真夏の屋外はさすがに避ける
- 長時間のビルドが必要な時は、休憩を挟む
バッテリーと発熱は長期的にはスマホの寿命にも効くので、開発メインで使うならこの辺りの意識は大事。
通信量の話
意外と気にしていなかった部分。
通信量を食うタイミング
apt upgrade(数十〜数百MB)npm install(プロジェクトによっては数百MB)- Claude Codeとのやり取り(1セッションで数MB〜)
- Vercelのデプロイ(GitHub経由なら軽め)
現実的な運用
- 大きいインストールはWi-Fi下でやるのがベストプラクティス
- モバイル通信のみの環境だと、月1〜2GB食うこともある
- ポケットWi-Fiや自宅Wi-Fiがあれば何の問題もない
画面の狭さとの戦い
スマホ画面で開発する最大の敵。小さい。
僕がやっていること
- Termuxのフォントは小さめにする(2本指ピンチで調整)
- 画面分割機能でターミナルとブラウザを同時表示(Xperiaは得意)
- Claude Codeに編集を任せて、自分は指示と確認だけに回る
- どうしても細かい作業が必要なら、Bluetoothキーボードを繋ぐ
外付けキーボードの効果 一度使うと戻れないレベル。折りたたみ式のBluetoothキーボードが3,000円くらいから売ってるので、本気で使うなら即買い推奨。カフェでスマホ + キーボードで開発してる姿は、ちょっと未来人です。
長時間作業のコツ
1時間2時間と続けていると、目と指が疲れます。PC作業とは違う疲れ方。
僕の工夫
- スマホを立てて使う(スタンドやリング)。手で持ち続けると手首が死ぬ
- 画面の明るさを気持ち暗めに
- 30分に1回は手を休ませる
- 音声入力を併用。長い指示はClaude Codeに向かって喋って入力する方が速い
音声入力については意外と盲点で、スマホだからこそ使える強み。「このコンポーネントをこう直して、次にあのファイルを…」みたいな長文指示は、喋った方が絶対に速いです。
スマホ開発、向いてる時 / 向いてない時
正直に書きます。
向いてる
- 移動中・外出先でサクッと修正
- 個人のホームページ・ブログなど規模が小さい案件
- アイデアをすぐ形にしたい時
- 「PCない時間」を開発時間に変えたい時
向いてない
- 大規模なプロジェクトの長時間作業
- 画像・動画の重い編集を伴う作業
- 複数のツールを同時に行き来する作業
- 納期が厳しくてミスが許されない仕事
要するに**「PCの完全代替」ではなく、「PCの手前の機動力を持った相棒」**という位置づけが現実的。
それでも、やる価値はある
面倒な部分を正直に書いてきましたが、それでもこの環境は最高に楽しいです。
ポケットの中のスマホで、本物のLinuxが動いて、AIが相棒として隣にいて、書いたコードが数分後には世界に公開される。ちょっと前なら信じられなかった体験が、今、手のひらで起きている。
便利さを超えて、自由さみたいなものを感じます。PCの前に座らなくても、時間と場所に縛られずに「作る」ことができる。これは結構、生き方を変える話だと個人的には思っています。
興味を持った人は、ぜひ試してみてください。