【第1回】スマホ1台で開発環境を作る 〜Termux + Ubuntu 編〜

はじめに

「開発環境ってパソコンがないと無理でしょ?」 そう思っている人、多いと思います。

実はAndroidスマホ1台あれば、本物のUbuntu Linuxを立ち上げて、そこでコードを書いて、ホームページを公開するところまで全部できます。このシリーズでは、僕が実際にXperia 1台でやっている手順を、最初から順番に紹介していきます。

第1回は環境構築の土台作り。TermuxというアプリにUbuntuをインストールするところまでやります。


そもそもTermuxって何?

Termuxは、Androidで動く「ターミナル」アプリです。いわゆる黒い画面にコマンドを打ち込むアレですね。

普通のAndroidアプリと違って、Linuxのコマンドがそのまま使えるのが特徴。lscd はもちろん、Git も Node.js もインストールできます。

ただし、Termuxそのものは「完全なLinux」ではありません。ちょっと特殊な環境なので、普通のLinux向けのソフトがそのまま動かないこともある。そこで登場するのが次のproot-distroです。


proot-distroで本物のUbuntuを載せる

proot-distroは、Termuxの中に「本物のLinuxディストリビューション」を入れられる仕組みです。Ubuntu、Debian、Arch など好きなものを選べます。

今回はUbuntuを使います。理由はシンプルで、情報が一番多いから。困ったときに検索してヒットする記事が圧倒的に多いんです。

「chrootじゃダメなの?」と思う人もいるかもしれませんが、prootはroot権限なしで動くのが大きな利点。Androidを改造(root化)しなくても使えるので、普通のスマホでそのまま動きます。


実際の手順

1. Termuxをインストール

Google Playストア版は古いので、F-Droidという別のアプリストアからインストールします。F-Droid自体は公式サイト(f-droid.org)からAPKをダウンロードしてインストール。

2. Termuxを最新に

Termuxを開いたら、まずはおまじない。

pkg update && pkg upgrade -y

これでパッケージ一覧を最新にして、入っているものを全部アップデートします。

3. proot-distroを入れる

pkg install proot-distro -y

これだけ。一瞬で終わります。

4. Ubuntuをインストール

proot-distro install ubuntu

回線にもよりますが、5〜10分くらいかかります。のんびり待ちましょう。

5. Ubuntuを起動

proot-distro login ubuntu

プロンプトが root@localhost みたいな表示に変わったら成功。ここからはもう本物のUbuntuの中です。試しに cat /etc/os-release と打つと、ちゃんと「Ubuntu」と表示されるはずです。


つまずきポイント

  • ストレージ権限: Termux初回起動時に termux-setup-storage を実行しておくと、あとでファイルのやり取りが楽になります
  • 容量: Ubuntu本体だけで1GB以上使います。空き容量は最低5GBくらい欲しい
  • バッテリー: 長時間作業するなら充電しながらがオススメ。意外と電気を食います

次回予告

次回は、このUbuntuの中にNode.jsとGitを入れて、開発の下準備を整えます。ここまで来ればもう「スマホの中にPC」です。

続く。